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私のカナダでの就活を振り返って

  • Insight
    那須 毅康(Takayasu Nasu - Tack)

2023年8月で私がカナダ・バンクーバーに渡航して約3年が経ちます。幸いなことに現地でフルスタックデベロッパーとして就職もでき、ある程度環境にも慣れてきたので、これまでのことを少し振り返ってみようと思います。
この記事が、今後海外留学を考えている皆さまに少しでも参考になればありがたいです。

自己成長のために海外へ

私はバンクーバーにくる前は東京でフルスタックデベロッパーとして働いていました。当時からこの仕事が好きで、将来もずっとこの職業を続けていきたいと考えていました。しかし、この先も仕事を続けるためには、自身のスキルを絶えず磨いていくことが必要だとも同時に感じていました。フロントエンド、バックエンド、クラウドやネットワークなど、この仕事に必要とされる知識は多岐にわたります。その中でも各種スキルアップするために欠かせないのが英語だと思います。みなさまご存知のように、多くのプログラミング言語や公式のドキュメントが英語で書かれているからです。

また、現在、北米には最先端の技術を駆使して新たなサービスや技術を創り出すIT企業が数多く存在します。そのような刺激的な環境で働くことにより、スキルのみならず英語力も向上させることができる。それがさらなるキャリアアップにも繋がると思います。
これらの理由から、私は海外でのキャリアを積むことに深い関心を抱いていました。

なぜバンクーバー?

テック企業の多さからくる就職の機会の多さに大いに引かれたからです。さらに、カナダはビザの取得が比較的容易で、特にアメリカと比較するとその差は歴然です。就職活動にあたっては、ビザ取得の問題も重要な考慮事項でした。加えて、バンクーバーは世界でも住みやすい都市として知られており、その魅力にも惹かれました。

学生ビザ取得と学校選び

まずは学生ビザでカナダに入国することにしました。その目的は、カナダで学習を進めながら現地での就職の道を開くことでした。それに合わせて、私のデベロッパーとしてのスキルを一層磨けるようなカリキュラムが提供される学校を探し始めました。それが2018年の10月頃の出来事です。

その情報収集の途中で、偶然にもバンクーバーを基盤とし、日本のデベロッパーのための留学および就職のサポートを提供するエージェントを見つけました。さらに幸運なことに、そのエージェントが渋谷で説明会を開くと知り、早速その説明会に参加しました。

説明会ではエージェントのスタッフから、いくつかのバンクーバーのカレッジについて紹介を受けました。その中にはBCITやLangara Collegeなども含まれていました。しかし、私の予算、期間、そしてこれまでのキャリアを考慮すると、Cornerstone International Community College of Canada(以下CICCC)が最適だと感じ、その学校に行くことを決定しました。

不測の事態と渡航の延期

2019年の時点では、私が選んだカレッジであるCICCCへの入学にはTOEICで620点以上のスコアが必要とされていました(今ではスコア要件が850点以上に上がっています)。TOEICのための学習とビザの申請手続きに専念していた結果、学生ビザを手に入れられたのは2020年の1月でした。

当初の計画では、2020年の5月から始まるカリキュラムに参加する予定でした。しかしこの時期、全く予想だにしなかったパンデミックが世界中に広がり、カナダも都市全体がロックダウン状態に。この時はさすがに渡航を諦めるしかないのかと、ちょっと暗い気持ちになりましたが、幸いなことに、感染の波も徐々に収束して行きました。結局、予定していた5月のタイミングでの渡航は見送りましたが、次の入学のタイミングの2020年の8月末にカナダ・バンクーバーに渡航しました。

バンクーバーでの生活について

ここで、少しバンクーバーで生活するにあたっての、準備しておけばよかったことや、想像していたことよりも良かった・悪かったことなどを少し紹介したいと思います。

家賃が高い

バンクーバーではワンルームや1Kのアパート・マンションはほとんどありません。なのでほとんどの留学生はシェアハウスに暮らしています。スタディオと呼ばれる一人暮らし用の部屋は安くても1,500カナダドル/月となってしまいます。

車が欲しくなる🚗

こちらではバスやスカイトレインなど、公共交通機関を利用することができます。値段も安く、本数も多いので、普段生活する分には特に困りません。ただし、休日やちょっと遠出したい時は、やはり車が必要になります。バンクーバー周辺は自然も多く、素晴らしい場所がたくさんあるのですが、そこにアクセスするためにはやはり車がないと、ちょっと不便だと感じます。

CICCCについて

以下のブログでCICCCについての感想をまとめています。良かったらみて下さい。
[https://blog.i-nasu.com/n/looking-back-on-cornerstone](私のカナダでの就活を振り返って - キャンパス編)

CICCCは多様なコースを提供しており、筆者はWeb/モバイルアプリ開発コースを受講。同校は3つの小規模キャンパスを持ち、学生数は100~200人程度。主に日本や南米からの留学生が多く、カナダ人学生は少ないです。

筆者は既にWeb開発の知識を持って入学。予想以上に多くを学び、アルゴリズムや面接対策も習得しました。初年度はコロナ禍でも通学し、多文化なクラスメートと共に学び視野を広げました。しかしながら、主に日本人クラスメートとの交流で英語力はあまり向上せず、高額な学費も考慮に入れるべきポイントです。

Web/Mobile開発コースでは、コンピューターサイエンス、プログラミング言語(Python, Java, Swift, Objective-C)、アルゴリズム、コーディング面接対策等を学びます。全て英語での授業で、基本的なプログラミング知識が必要です。授業内容は充実しているものの、1年間で業務に通用するスキルを身につけるのは難しいかもしれません。成功するためには、個人の努力と行動が重要です。

加えて、教師の質もバラバラで、スキル習得が教師に依存する場合もあります。筆者は知識豊富な教師に恵まれたが、他のクラスでは専門外の教師が授業をしていることもあったとのこと。これらの要素を考慮し、CICCCの価値を判断する際には注意が必要です。

カナダでの就活

カナダで現地企業に就職するためには、前提条件として以下を満たす必要があります(リモートワークを除く)。

  1. その企業で働くためのビザを持っている
  2. 英語で質疑応答ができる

就職活動に際しては、ビザの有無が何よりも大切な要素となります。ビザがない限り、ほぼ確実に採用を検討してくれる企業は皆無という現実に直面するでしょう。高度なスキルを身につけ、英語でのコミュニケーションに自信があるとしても、ビザがなければ現地での就職はとても困難な道になることは覚悟しなければなりません。
また、たとえビザを持っていたとしても、その期限が短い場合には同じように採用されることは難しいと思われます。望ましい条件としては、ポスグラビザ、CO-OPビザ、ワーホリビザを持っていること。そしてその期限が2年以上あるということです。

次に、英語力が重要なカギとなります。面接では、最低でも質疑応答がスムーズに行えるレベルの英語力が求められるという厳しい現実が待っています。
たとえあなたが高度なプログラミングスキルを持っているとしても、自分の意見を適切に伝えることができなければ、面接を突破することはとても難しいということを肝に銘じてください。
スピーキングについては、落ち着いてゆっくりと話せば理解してもらえると思います。しかし、リスニングについては、面接官によって話す速度が異なり、スラングを多用する人もいるため、それらに対応できる力を磨くことが絶対に必要です。だからこそ、リスニング力の強化は事前の準備として非常に有益です。英語力はあればあるほど入社後も役に立つので、やっといて損はないです(私もカレッジに通っている時にもう少しやっとけばよかったとちょっと後悔してます🤣)。

北米における仕事探しの流れ

北米やカナダでの仕事探しについて考えてみましょう。一般的に、IndeedやLinkedInといったウェブサービスが活用されます。これらのプラットフォームには、プロフィール情報、写真、これまでの経歴、そしてレジュメをアップロードすることができます。

プロフィールを一定のレベルまで整備したら、新たなエネルギーを持って、これらのサイトを活用して仕事探しに取り組みましょう。そして、自己の進歩を反映させるためにも、プロフィールやレジュメを常に最新の状態に保つことを忘れないでください。

ウェブサイト上の検索窓には、自分の希望する職種名を入力します。「front-end developer」や「Software developer」などが具体的な例です。さらに、ロケーションで絞り込むことで、自分の才能を欲している会社を見つけ出すことができます。見つけた仕事については、その内容や応募者に求める条件を確認し、自分の目指す方向に近いものに応募しましょう。

なお、企業によってはこの段階で応募者に対し質問したり、アンケートに答えたり、簡単なコーディングテストを行うよう求めることがあります。これらは応募プロセスの一部と理解しましょう。

また、LinkedInを通じて企業のリクルーターから直接連絡が来ることもあります。仕事内容や募集要件をしっかりと確認し、自分の希望に合っているならば、積極的にリクルーターと連絡を取るようにしましょう。

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