私のカナダでの就活を振り返って - キャンパス編
- 那須 毅康(Takayasu Nasu - Tack)
この記事では、私がカナダ・バンクーバーで利用したカレッジ、Cornerstone International Community College of Canadaについて、私の体験などを含めて説明したいと思います。
Cornerstone International Community College of Canada とは
Cornerstone International Community College of Canada(以下CICCC)はカナダのバンクーバーにあるカレッジです。Webとモバイルアプリの作成について学べるコースや、UI/UXデザインについて学ぶコース、国際的なビジネスについて学ぶコースなど、様々なカリキュラムを提供しています。私はここで、Web/モバイルアプリコースを受講しました。
CICCCはダウンタウンに3つの小規模なキャンパスがあります。キャンパスに来る学生は私の体感で100~200人くらいで、日本人がイメージするカレッジというより、小さな専門学校のような感じです。日本から来た生徒が多く、他にはメキシコや南米から来た生徒もいますが、カナダの生徒はほとんどいません。なので英語でコミュニケーションを取る機会ははあまり多くなく、英語に関してはそこまで上達しないかもしれません。
このカレッジをおすすめできますか?
個人的にはこのカレッジを選択して良かったと思っています。その理由は、当初予想していたよりも多くのことを学ぶことができたからです。私は日本にいた時からweb業界で働いており、バックエンドとフロントエンドにある程度精通していました。なのでカレッジではMobileアプリについてのみ、新たに学べると予想していましたが、実際はそれ以外にも、アルゴリズムや海外就職での面接対策についても学ぶことができました。
CICCCの初年度はコロナ禍の最中でしたが、ほぼ毎日キャンパスに通いました。オンラインも選択できたのですが、せっかくバンクーバーに来たので、なるべく外出することを心がけていました。全ての授業をオンラインで受けていたクラスメイトが何人かいましたが、彼らとは結局卒業まで一度も対面で会うことはありませんでした😂
クラスの大半は日本人でしたが、Javaを得意とするブラジル人や、UI/UXに強いスペイン人もいました。彼らはそれぞれ違う文化の背景を持っています。だから、彼らと一緒に過ごすことで、日本との文化の違いや、アプリ開発に対する向き合い方の違いなどを知ることができ、自分の視野がぐっと広がった気がします。
しかし、全てが完璧だったわけではありません。
私がここで一番伸ばしたかったのは、実は英語力でした。前述の通り、クラスの大半が日本人だったため、なかなか英語を使う機会が少なく、思うように上達しませんでした。
また、Coopの費用が含まれているとはいえ、入学と授業料を併せて約150万円と決して安価ではありません。そのため、このお金を払うだけの価値があるのか、本当に慎重に考える必要があります。
ただし、バンクーバーにある他のカレッジの費用はさらに高いので、もろもろの費用を安く抑えたいならCICCCはおすすめすることができます。
カリキュラムについて
私が受講したWeb/Mobile開発コースのカリキュラムは下記になります。Javaでのオブジェクト指向の学習の後は、Webアプリ開発コースかMobileアプリ開発コースを選択できます(時期によってはWebアプリ開発コースのみ)。
こちらはJavaターム時のチームプロジェクトで作ったアプリ。本来はJava(Swing)を使う課題だったのだが、せっかくなのでKotlin(Ktor)に挑戦。
- コンピューターサイエンスの基礎
- Pythonでのアルゴリズムの基礎
- Javaでのオブジェクト指向の学習
- Swiftの基礎
- SwiftでのiOSアプリ開発
- Objective-Cの基礎
- アルゴリズム応用編
- コーディング面接対策
- 個人/チームプロジェクト開発
ここでポイントとなるのは、授業は全て英語で行われるということです。授業の内容が理解できなかった場合はもちろん教師に質問できるのですが、それも英語で行う必要があります。このことを考慮すると、やはり入学前までにPythonやJavaなどのプログラム言語の使い方や基本的な部分は理解しておいた方が良いです。
1年間でこれだけの内容を学ぶと思うと、かなりハードだと感じるかもしれませんが、実際の業務で通用するほどの技術力やソフトスキルを身につけることができるかと問われると、身につけれると回答するのは難しいです。そこで、そのギャップを埋めるために個人として何ができるか、どう行動するかが非常に重要になってきます。
その他の懸念材料として、習得できるスキルが担当教師に依存してしまうことが挙げられます。私のクラスの教師は、その豊富な知識と経験をもとに、非常に効果的な教え方をしていました。全ての説明は英語で行われましたが、それでも内容を理解するのは難しくなかったです。そこは運が良かったと思います。時期や時間帯によっては、専門の教師ではなく、他の分野が専門の教師が授業をしていることもありました。
最後にお金について
カナダに留学して、ソフトウェア開発者として現地で働くチャンスをつかむためには、私が一番大切だと感じるのは「お金」に余裕があるかどうかです。もちろん、英語力やモチベーション、技術力など他にも大切な要素はいくつもあります。しかし、これらの課題は、ある程度のお金があればクリアできると私は思います。
たとえば、生活費をしっかりと蓄えておけば、アルバイトに追われず、その時間を学習に集中できます。英語力が足りないなら、個別の英語指導を受けるためのチューターを雇うことが可能ですし、ESL(English as a Second Language)のクラスに参加することもできます。
バンクーバーでは家賃が高いため、多くの留学生がシェアハウスに住むことが一般的です。しかし、シェアハウスの生活は、ハウスメイトとの相性で大きく左右されます。そんな時でも、お金に余裕があれば、一人暮らしのスタジオアパートを選ぶことも可能です。
さらに、Post Graduation Work Permitを取得可能な大学やカレッジを選ぶ選択肢も広がります。お金でカナダに滞在できる期間を買うこともできるのです。
このように、「お金」に余裕があると、自分の未来を左右する選択肢が格段に増えるのが現実です。だからこそ、事前の準備として、英語やプログラムの学習だけでなく、しっかりとまとまった資金を用意することを、心からおすすめします。
以上、CICCCについて説明しました。最後の方はあまり関係ないことも書きましたが、この記事がソフトフェアデベロッパーとしてカナダでの就職を検討している人の役に立てばありがたいです。